天冥の標 3 アウレーリア一統 ★★★★☆

3球目は直球ど真ん中が来た。小惑星帯宇宙戦SF。最初の印象は『スキズマトリックス』だった。あと、<航空宇宙軍史>に<星界>みたいな。
宇宙海賊をやっつける、ノイジーラント大主教国所属の強襲砲艦エスレルが颯爽と登場。アウレーリアのご先祖様がエスレル艦長。
致命的宇宙戦を禁じるクアッド・ツー(2,222年締結の条約)の下、移乗して白兵戦で決着をつけるという、まさに帆船時代を再現したもの凄い設定。だが熱い。表紙のエスレルもイカす。しかし、各砲座に人を配置するって、死にに行くようなもんじゃね? と思ったが、アンチ・オックスの何かの拘りが関係するのか... あと、まともな対艦戦闘は実は最初だけ?
話が進んで1巻のあの人のご先祖やら、2巻のあの人の子孫が続々登場。この辺にくると、全10巻の布石がかなり進んできて、前の巻の読み飛ばしたところを再読する必要も大。
この他、得意の宇宙SFガジェット、宇宙史など次々登場。お腹一杯になれる。特にノイジーラント建国の歴史がすごい。ノイジーラント萌えだが百合とかはいいです。あとルッゾツー・ウィース・タンより「主の代理の生まれ変わりの...(略)裾持ちにしてセナーセー市副市長...」で始まる講話が好きです。
かなり★5級のノリで読み進めたが、終盤一歩手前やや落ちた。本編オチも微妙にがっくり。千芽ちゃん子孫はかなり残念だし... しかし最終的にシリーズ伏線ネタでオチたところは、ちょっと目から冥王斑じゃなくて鱗。続巻も楽しみ。