イリアム／オリュンポス ★★★★☆

イリアム (海外SFノヴェルズ)

オリュンポス 上

オリュンポス 下

『ハイペリオン』4部作以来の大作。ということでページ数も長大で読むのを躊躇してきたのだが、他に読むものもなくなり手を出してしまった。
ギリシャ神話の神々がトロイ戦争に介入しまくる世界を観察する、20世紀生まれの歴史学者が語り手の掴み。読みやすくてガンガン読み進める。感覚としては『エンディミオン』に似ている。サクサク。
デコボコ・ロボットコンビも主役級の活躍。シェークスピア、プルーストの文学オタクという設定が本筋にも絡みイカス。木星からの宇宙船加速シーンがイーガンみたいでかっこよかった。
伝統的人類のパートがいまいちさえないのだが、最後までさえなかった...
この2部作については、『ハイペリオン』みたいに４に分けたり２に分けたりしづらい。正直、後半の『オリュンポス』は？なところも多いが、まあ総じてなかなか面白かった。
英語圏文学などの教養が無いと楽しめないところも多いようだが、訳者のフォローがきめ細かく、良い感じだった。