神狩り ★★★★☆

神狩り (ハヤカワ文庫 JA (88))

神狩り (ハヤカワ文庫 JA (88))

山田正紀の30年前のデビュー作。星雲賞受賞。
東京に出てきて20年、初めて立ち寄った八重洲ブックセンター青背系が妙に充実していた。本書は昨年出版された『神狩り2 リッパー』を読む前に目を通しておく必要があったし、薄くて安かったので即購入*1

内容は、いかにも山田正紀的な言語と世界観。タイトル通りに超知性たる神との対決...は、『神狩り2 リッパー』で読めるのだろうか?

出版当時に読んでいれば★5だったと思うが、計算機の進化は想定外としても、オチのあたりは現在の視点から見ると、やや微妙。このあたりも続編が気になるところ。

2002年に書かれた著者による後書きも大変興味深い。30年近く経てば自分の著書も他人のもののように思えるらしく、言わば小学校の卒業文集みたいなもか。例えが悪すぎるが。
『神狩り2 リッパー』が書かれたのは、これと同時期なのだろうか。

それにしても最近読んでるSFが超知性とか神とか扱ってるものばかりになってきた。本作は若者が書いただけあって、神に対してかなりアグレッシブ。英訳したら、とんでもないことになりそうだ。

25冊目@第17週。

*1:『神狩り2』にあわせて重版がかかったらしく、地元の書店でも見つけた。入手したのも昨年に刷られた第11版