創元もサクッとKindle本を出すとはさすが。合本も出てたが、お値段もそれなりだった。
イスタンブールの旅行ガイドなんかと一緒に、パラパラ読み返したい本。
『サイバラバード・デイズ』の著者が描く近未来イスタンブール。群像劇。主役6人の交点は、原題の「修道僧の館」。バカ夫婦と爺とぼくちゃんとお姉さんはキャラが立ってるけど、ネジュデットだけは地味。だが、後日談があれば主役?
お約束で最後は群像の人たちが集束して盛り上がる。
濃密な都市描写がすごい。改行が無くて文がみっちり。面白いけど読むのに時間がかかった。
解説の酉島伝法がわかりやすく、びっくり。特に蜜人エピソードは若干謎だったんだが、読み取り方が参考になった。
SF要素は抑え目ではあるがナノテク2件が肝。シンギュラリティの一歩手前。しかし目立つ主役は、ぼくちゃんのオモチャロボット。ちょっとオーバーテクノロジーすぎて、ぜひ一個欲しいレベル。