アッチェレランド ★★★★★

アッチェレランド (海外SFノヴェルズ)

アッチェレランド (海外SFノヴェルズ)

シンギュラリティもの(?)に言われのない先入観があり、また本書はハードカバー500ページもあり、読むのに腰が重かったのだが、読んでみたら非常に面白い。まだ残り100ページだけど現時点の感想。

ポストサイバーパンク: 冒頭はギブソンみたいなスティーヴンスンみたいな。2010年代だし、近未来小説っぽいのだけど、グングン加速していき、イーガン『ディアスポラ』のような展開に。全体の雰囲気はスターリング『スキズマトリックス』を想起。一旦ポストヒューマンまで行って再び少し戻ってくる感じ。(ややネタバレ)

IT+経済オリエンテッド: 解説が小飼弾なので、その辺狙い。マトリョーシカ・ブレインなどハードサイエンスよりのネタにしてもやっぱり計算志向。シンギュラリティ直前の本書の記載から思わずメモ「太陽系質量1027kgを1(MIPS/g)のプロセッサに変換して(シンギュラリティの閾値)」「一日に増加する人口が55,000人。これは1023MIPS、3000万個のプロセッサに相当」

そういえば、あの早読みのdankogaiが本書はゆっくり読んだみたいだけど、自分も標準ペースより相当遅読みしている。500ページの中に高密度にアイデア、プロットが詰め込まれており、言葉遊びも豊富なので、まったり読むのが良いと思う。
そんなわけで既に延滞二日でごめんなさい。
(読了後に追記するかも)