『紙の動物園』より良かった。
全16編、長いの短いの、SFからメインストリームまで、バラエティ富んだ内容、ハズレ無し。
「烏蘇里羆」は、ほぼ『ゴールデンカムイ』&スチームパンク。絵的には一番派手なので巻頭作?
「草を結びて環を銜えん」「訴訟師と猿の王」そして「万味調和」は中国歴史ものというか、ちょっとしたファンタジー要素が入った一般小説だが、どれも非常に深い。
「重荷は常に汝とともに」昔のSFっぽい、ちょっと笑えるやつ。
「母の記憶に」は短いし、要素的には普通のSFだけど、表題作だけあってすごい。
「存在」「シミュラクラ」ともう一つがSFガジェット&家族関係もの。
「レギュラー」は作風ガラリと違ったSFミステリー中編。かっこいい。
「残されし者」作者一番のお気に入りという、ポストシンギュラリティもの。がっちりしたSF。
「上級読者のための比較認知科学絵本」みんなが好きな宇宙SF
「『輸送年報』より「長距離貨物輸送飛行船」(〈パシフィック・マンスリー〉誌二〇〇九年五月号掲載)」飛行船が現代でも飛んでるだけをグリグリ描いたお話し。渋い。