Kindle本。(そういえばイーガンでは初めて)
原書が出たときから、宇宙の物理法則を作っちゃったって話で、びびってたやつ。
√1-(v/c)^2がわしらの宇宙で、√1+(v/c)^2が本作の宇宙らしい。
(符号が一個違うだけなのに、ならべると、わしらの宇宙の方が対称性が破れてておかしいじゃん? そうなの?)
そこから演繹的に出てくる物理・世界観が本作を含む三部作の肝。異星人(異宇宙人)しか出てこない点で『白熱光』路線の延長。だが今回、図解がたくさんあるので、なんだかわかったような気がしないこともない。
さらに独特のジェンダーSF的な異星人の設定が、二番目の柱となる。あと表題にからむところもだが... なんだ、いろいろあるな。
基本プロットは古典的なSFみたいな。用語もあまり変なのは無く、人間語(英語→日本語)に翻訳されてるので、表面的には意外と読みやすかった。
一方、柳下先生が言ってるように、さっぱりわからなかったという感想もある。こんな怪作が邦訳出せたってのも、イーガンだからだな。