戦略拠点32098 楽園 ★★★★☆

長谷敏司のデビュー作でラノベのレーベルから出ていたが、最寄りの図書館の蔵書に無く、懸案であった。昨年の秋にKindle版がアナウンスされたのを機に予約購入。なぜか刊行まで3カ月ほども待たされたが、予約割引的なもので僅か¥200。しかし、その後koboの角川文庫割引対抗で\120ほどになってた... なお、現在の販売価格は¥400。このあたりのダイナミックな価格変動が電子本らしく興味深い。
(追記:知らなかったけど、70%オフの後に昨日まで50%オフだったらしい。また、セールのおかげで本書はラノベランキングの上位に入ったとか。めでたい。
【速報】角川セール50%OFFで延長戦スタート!Amazonの価格破壊が止まらない!「ホクサイと飯」「NieA_7 Recycle」「僕だけがいない街」「新機動戦記ガンダムW フローズン・ティアドロップ」ほか | きんどるどうでしょう
また、長谷敏司は『あなたのための物語』『Beatless』に加え『円環少女』全13巻を、全て図書館で借りて読んでおり、少しは印税収入に貢献しなければならない作家リストの筆頭だったが、今回めでたくお布施を払えたことになる。
読書には久しぶりにKindle Paperwhiteを使った。Kindle本レイアウトは字が大きく、とても読みやすかった。いつもは通勤時間に読書するのだが、本書は寝る前に寝室で読み切った。Kindle Paperwhiteの照明レベル下から3番目くらいで読みやすく、目が疲れることもなかった。15分くらい読むと自然に眠くなって落ちた。というのを5日程度。ただし、ラストは夜中に目が覚めた時に40分程で読み切り、寝られなくなった...
これでようやく中身の感想に入る。第I部の楽園描写はのんびりしていて、いかにも楽園な雰囲気だが、かなり最初から宇宙戦争を背景に不穏な感じは漂う。中盤、第II部の最初にかけて、えらくエグい骨格の設定が明らかになるが、SF的には
どこかで見たような内容ではある。しかし、3人しかいない登場人物(多めに見て5人?)の心情、関係の変化を軸に、読み終わってみれば爽やかなラノベだったかという印象。デビュー作には全てがあるの典型、良書。自分がそうであったように、電子化で読者が増えることを望む。