凄い立派な食材を適当に料理したような読後感。
ちらっとだけ参加したSFコンベンションNIPPON2007でヒューゴー賞をもらっていたらしい本書。『SFが読みたい!2008」で第9位という微妙な順位。大森さんの★も3.5という微妙さで、なんとなく避けていた。
読む気になったのは、藤井大洋さんのインタビューで本書を挙げていたから。確かに『Gene Mapper』的な現代のテクノロジー(特にIT)と地続きな感じの詳細な世界設定が本書の肝の一つ。世界に浸るのはなかなか楽しい。
あと、シンギュラリティって、この人が言い出したの知らなかった。っていう、シンギュラリティ前後のあれこれ。解説を先に読んじゃったけど、納得。
最後に、年寄りが若返りで活躍するのは、スターリングの『ホーリー・ファイアー』を思い出した。けど、著者自身が年寄りということもあってか、年寄り軍団とか、家族の話が最大の肝だったみたい。
しかし、大森さんも言ってたようにストーリーテリングが弱すぎて、読むのめんどくさかった。特に上巻の後半。冒頭は諜報ものかと思ってワクワクしたのだが。
同じネタで藤井さんにリライトしてもらいたい。