図書館で上下巻セット予約にしなかったからか、下巻が先に来た...
そして読んだ。前作『華竜の宮』の後、<大異変>の直前の話なので、途中飛ばしてもそれほど違和感なく、SF的な設定と、それに対する疑問も前作同様。
人間と社会を大胆かつ精妙に描き、ざっくり言うと絶滅に瀕しても人間は変わらず、でも希望の灯は灯し続ける、みたいな。希望に関して、前作のルーシィもちょっと出てくるけど、メインは外宇宙探査船建造。そして海上民と陸上民の闘争は何やら世界的な規模になっているらしい。外宇宙船≒核融合では、3.11後の科学技術のあり方みたいな考察も。
面白かった。小松左京を継いで社会的な考察の面では著者が随一かと。次点・小川一水。個人的な好みで言えば本線からやや外れてしまうけども、まあ面白い。