白熱光 ★★★★★

ハヤカワの新・銀背であるが、第 1回配本は実質全て読んだ。が、全て図書館から借りたのであった。そして第 2回配本の最初は待ちに待ったグレッグ・イーガンの長編。もちろん速攻でe-hon予約し購入。初の銀背が本棚に並んだ。*1 そういえば銀背には透明なブックカバーが付いていたのだなあ。帯とともに図書館本ではないフィーチャー。
長いどうでも良い前フリの後、ようやく本書の内容に。しかし、『ディアスポラ』の斜め上を行くウルトラハードSFであった。天文、物理の知識がある程度は必須と思われる。どうにかこうにか読み終えたが、訳者あとがきにあった誤解ポイント4個のうち、ざっくり3.5個くらいは見事に誤解していたらしく、蔵書でもあるので再読しなければいかん。
評価★5なのか良くわからないが、ウルトラハードSFを考慮してSFタグを 2個付けてみた。
以下、ネタバレ。
だらだらとメモ。
奇数章と偶数章で基本は別のストーリーが流れる構成。
奇数章は、いきなり『ディアスポラ』の後期みたいな遠未来。異星人の痕跡を探してはるばる旅をするパート。遠未来とは言え、現代の科学用語で客観的に記述してあるので、違和感なく読める。
偶数章がメインパート。異星人の世界を主観的に描き、科学技術の発展を追体験する。ニュートン力学から相対性理論まで一世代でダイナミックに展開するが、特に黎明期の実験あたりが熱い。数学的なところは、無理矢理文章で書いてあることを差し引いてもさっぱり理解できてないところも多く、読むのに時間はかかった。数式のありがたみが良くわかる。冒頭の、重さの地図 2枚だけでもあるとないとで大違いだった。図は偉大なり。
途中、『竜の卵』を思い出したのだが、オッサンはそういう人が多かったらしい。しかし、そこで間違いポイントにはまってしまったと。
あと、再読もそうだけど板倉先生や著者のサイトでヴィジュアルな解説を読まないとイカン。
(書きかけ)
(追記: ヴィジュアル見て、やっと腑に落ちた。ほんとに図は大事。あと、潮汐力が何かってようやく腑に落ちた。そしてまた忘れる...)

*1:電子化を進めた結果、文庫以外のSF蔵書は本書を含みたったの 7冊であった... ちなみに『アルジャーノンに花束を』、『ハイペリオン』、『ディファレンス・エンジン』、『ソラリス(新訳版)』、『屍者の帝国』、イーガンは『TAP』と本書