天冥の標 6 呪怨 ★★★★☆

一大転換点となった第 6巻。かなりの伏線が回収された感。
第5章「天冥の標」が今後の鍵? 比較的小規模な対立と和解が描かれており。
以下、軽くネタバレ。
6巻は前巻から150年後で、予告された異星人の到来無く「あれっ?」てな感じ。
PART1では呑気な人工天体内冬トレッキングに、MHD社経営トップ家族、救世群など設定紹介的だが、
PART2冒頭から、やっぱり第3勢力来た。ごめん、あの人たちのこと忘れてたわ。
そして戦乱へ。PART3へ。
色々紆余曲折あって、ドカンと滅んだ... 続く...
いや、丁度 7巻刊行の直前に読み終わって良かった良かった。

さて、前巻読了時の指摘は割と当たっていた。このように展開が読めるところもあるが、いきなり大ネタを振ってきたり、叙述トリック的な書き方もするので、残り4巻もどうなるか。
予告では 7巻が 1巻との時間差をほぼ埋めそうだが、メニーメニーシープ建国300年が西暦2800年頃だと、6巻終了時の2502年から時間差無いので、1巻読了時にも思った事だが、実は移民してなかったオチあるのか? と一応書いておく。 いやいや、結果としてミスチフの手に落ちた太陽系にはいられないよね。
シリーズの大団円などと言ってる人がいるけど、「天冥の標」、ミスチフとノルルスカインが和解するのかね? とも一応書いておく。そういうオチに持っていくのは大変そうだが。

とにかく、これほど壮大で詳細な宇宙史は今まで無かったと思うんだが、どうか。個々のSF的アイデアの骨格は、あえて陳腐なものを選んだ感じもあり、超光速無しとか、兵器もレーザーに核くらいで、でもディテールは著者らしくハードSF的に書き込んでる。
あまりに大きな世界観なので、色々突っ込みようもあり、また中短編など幾らでも書けそうで、全10巻+αも期待したいところではある。