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 黄昏の岸 暁の天 十二国記 ★★★★☆

黄昏の岸 暁の天 十二国記 (講談社文庫)

黄昏の岸 暁の天 十二国記 (講談社文庫)

既刊分は、後は短編集を 1冊残すのみ、というところまで一気に読んだ<十二国記>。読む時間があったのも確かだが、全巻を10日ほどで読んでる。ページをめくるのが止まらない系であるのは間違いない。
十二国記世界の成り立ちについて、緻密で壮大で、なおかつ妙に人工的なのがポイントのようだ。特にこの巻では、世界のルールに抵触するかしないかが主題のひとつで、世界構築者に対する疑義が色々湧いてくる。シリーズ完結すれば、世界の構造が更に明らかになることが期待され、それは確かにSFのあり方の一つかもしれない。<新しい太陽の書>と似てなくもない。いや、似てないか。
本巻はシリーズ第 1作である外伝『魔性の子』と時系列がほぼ一致している。我々の世界と十二国記世界が裏表の関係になっており、構造的に深い。ここで陽子が属する主・時系列が『魔性の子』に追いついてしまったので、王を助けに行く展開が次に控えているとはいっても、第一部完みたいな趣きもあり、10年以上新刊が出てない理由の一つかもしれない。
(追記: 作者インタビューを後で読んだら、本編は後1作みたいな談もあり、泰の件が片付いたら全巻終わりなのかも。だが、このシリーズは番外編比率高いし、幾らでも書けそうではある。)
★4はシリーズを通して平均的にそれくらいだが、今振り返ると、前半の異様なまでの超マゾ展開と、少しづつ十二国記世界の構造が明らかになっていくシリーズ本編第 1作『月の影 影の海』が印象的だった。キャラ的には『図南の翼』の珠晶の高飛車な口調が、直前に読んだメイゼルとかぶった。
このシリーズを、完結前なのにオールタイムSFベスト9位に推した『SF本の雑誌』の、というか大森望さんの言わんとすることはわかったような気がするが、自分的にはこれはSFタグは無いかな、今のところは。まあ、一気に読めて面白かったので、何でも良いです。
(追記: 鏡明さんも相当推してたことを確認。なにしろ「この10年のSFは全部クズ」対談でも推してた。更には、<十二国記>の 9位よりは上という理由で『ハイペリオン』が 8位だったり。)
(追記2: 既刊分を全て読み終わり、サクッと『丕緒の鳥』を予約!)
(追記3: 『SFが読みたい!』'90年代ベスト 2位ってのもあった。'90年代は冬の時代だったこともあり、SF界ではラベルを貼るコンセンサスがあるのか。)
これに比べるとほぼ同時に読み始めた『天冥の標』は、そこまでサクサク読めてない。