量子怪盗 ★★★★☆

量子怪盗 (新★ハヤカワ・SF・シリーズ)

量子怪盗 (新★ハヤカワ・SF・シリーズ)

シンギュラリティ後の遠未来を舞台に、怪盗と戦闘美少女と探偵が活躍。
膨大なSFガジェットの海に埋もれた序盤は、なかなか作品世界に入り込めなかった。SF設定にそれぞれ科学的基盤がありそうだけど、詳しく説明されることは無い。フィンランド、ロシア、フランス、日本など多言語を駆使した何となくそれらしいネーミングで印象付けられる感じ。
中盤以降、古典的とも言えそうな探偵劇を軸にサクサク読めた。話の骨格はミステリとSFのハイブリッド。重そうなテーマとかは無い冒険活劇の王道。解説によれば「ワイドスクリーンバロックの現代版アップデート」。