ねじまき少女 ★★★★☆

ねじまき少女 上 (ハヤカワ文庫SF)

ねじまき少女 上 (ハヤカワ文庫SF)

ねじまき少女 下 (ハヤカワ文庫SF)

ねじまき少女 下 (ハヤカワ文庫SF)

ヒューゴー、ネビュラ、ローカス賞など受賞しまくりの本作。日本でも海外SFランキング上位は間違いなさそう。
温暖化が進み世界各国の沿岸部が水没するなか、巨大な防波堤とポンプでがんばっているバンコクさんが主人公。
いや、表紙にも出てる人造人間、ねじまき少女のエミコが主人公。エミコはメイド・イン・ジャパン。少子化による必然。
また石油も枯渇しており、バイオ燃料と貴重な石炭がエネルギー源の世界。バイオテクノロジーの発展と暴走のため、様々な疫病が蔓延。ドヨ〜ンとした世界観は『ニューロマンサー』新世紀版の趣き。しかもバンコク、超暑苦しい。
絶賛したいところだけど、気になるところが幾つか。例えばSF設定上では太陽光発電あたり省かれてるとことか。作者は相当にアジアに詳しそうだけど、当事者としては『キリンヤガ』を読まされてるアフリカ人になったような感じが、ちょっぴりした。