デス博士の島その他の物語 ★★★★★

デス博士の島その他の物語 (未来の文学)

デス博士の島その他の物語 (未来の文学)

大森望氏激賞ジーン・ウルフ中編集。
確かに素晴らしかった。例によって図書館で借りたのだが、後書きで著者自身が述べているように、

わたしの考える優れた文学とは小説に親しんでいる読者が楽しめるもの、再読によって喜びがいや増すものだ。

というわけで、再読のために真剣に購入を検討していきたい。図書刊行会の<未来の文学>シリーズにハズレ無し。

48冊目@32週。

まえがき

お洒落ショートショート付きの粋なまえがき

デス博士の島その他の物語

本作品集の中では最も短く、軽いジャブの位置づけに見えてしまう。ファンタジー系。

アイランド博士の死

いきなり激しくSF。『ケルベロス第五の首』のゴシックぽいイメージ払拭。オチも激しい。表題作に続いて精神科系。

死の島の博士

これまた激しくSF。ラストが読み解けない〜

アメリカの七夜

未来の没落したアメリカを、テヘランからの旅人が綴る旅行記。でもSF&ホラー。本作が一番のお気に入り。さりげない一文にイーガン的物理・哲学が書かれてたりするし。

眼閃の奇蹟

目が見えない人の物語だから夢と現実が入り乱れる。終盤でSFな展開に。初読ではイマイチのめりこめなかった。