- 作者: 山田正紀
- 出版社/メーカー: 徳間書店
- 発売日: 2005/03/19
- メディア: 単行本
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『神狩り(id:nbt-nona:20060428)』の30年ぶりの続編。さすがに前作のオチがつながっていないのは当然としても...
最近読んだ類似テーマの『デカルトの密室(id:nbt-nona:20060420)』、『神は沈黙せず(id:nbt-nona:20060216)』などと比べて、著者の妄想を納得させるための読者向け心配りが少なく感じた。神経科学的説明を軸の一つに据えているが、理系読者を騙すには物足りないと思われる。あと、ただ単に小説の構成として破綻気味ではないかと。この辺は『SFが読みたい!2006』の座談会で著者自ら触れていたことではあるのだが。
著者の妄想大伽藍をダイレクトに脳内に押し込まれたような感覚。それが目論見だとすれば見事にはめられたわけだが。
著者あとがきの述べていた、かっこいいSFへの回帰は一部成功していると思う。昔のSFを読んだような読後感。全体として、どう評価していいのか良くわからない作品。悩む...
33冊目@第20週。