どんがらがん ★★★★☆

 『SFが読みたい!2006』第4位。'50年代から活躍していた伝説の短編作家の作品集。過去の日記で[SF]と[本]のカテゴリィを同時に付けることは無かったのだが、全16編のうちSFやファンタジーとして読めるのは半分以下なので、初めてこのような分類とした。
 ミステリィ幻想文学、SFの各賞を受賞しており、作風のスペクトルは非常に幅広い。比較的読みやすいものから相当難解な作品まで含まれる。編者解説でも触れているが、悪文とも言われる独特の文体だけは一貫しているようである。原文を見なくても、これは訳し難いのだろうと思う。大御所翻訳家による新訳、初訳の競演であることも本書の価値の一つであろう。

17冊目@第12週。