忘却の船に流れは光 ★★★★☆

忘却の船に流れは光 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション)

停滞していたJコレクション完全制覇計画再開。図書館で借りた。
冒頭から徐々に明らかになっていく世界描写に引き込まれる。「閉じた世界」の設定は、擦れたSF読みなら、あれやこれやと裏読みするわけだが。
最終的には予想を超えるオチが待っていた。ハードSFとしては読めないけれども、一番気になるオチ付けはしっかりしてるし、しかも著者お得意の駄洒落だ。さすが関西人。固有名詞が漢字＋ルビ表記なのだが、ルビ部分のセンスが面白い。あと、坊さんの九州弁やら大阪弁で無理矢理キャラを立たせているのも読み分けが楽ではある。
難点は、途中プロット的に強引な箇所があったのと、いくらなんでも汚物系下ネタ多すぎ。
『SFが読みたい！2004』第4位。『マルドゥック・スクランブル』と『第六大陸』の年じゃなければ、もっと上に行けたか。でも汚物系下ネタ多すぎ...