夜更けのエントロピー ★★★★★

夜更けのエントロピー (奇想コレクション)

夜更けのエントロピー (奇想コレクション)

ハイペリオン』のダン・シモンズの短編集。図書館で借りて10日も延滞したが読みきった。延滞したとは言っても読みにくかったわけではなく別の事情のためであり、むしろ異常に読みやすかった。シモンズの筆力は凄すぎる。今まで、どうにも『ハイペリオン』の印象が強すぎて、なんとなく他の作品を読む気がしなかったのだが、本書を読んで気が変わった。本書も文庫化などされたら買ってみようかと思う。
ちなみに『SFが読みたい!2005』では第9位。本書はSF色が薄いし2004年は豊作だったからな...1,2,4位を読んでるけど、SF順位としては妥当かも。
本書の全体を俯瞰するとホラー色が強い。後書きにもあるように、ゾンビ、ドラキュラ、ベトナム戦争エイズ、教師、保険などのキーワードの組み合わせとして各作品は語られる。

黄泉の川が逆流する

デビュー作。タイトル通りのゾンビねた。本書の中では軽いジャブという感じだが、全体の印象を方向付ける。

ベトナムランド優待券

後書きによると筒井康孝に同じような元ネタがあるらしいが、徹底的に細かく描写を書き込むところがシモンズぽい。

ドラキュラの子供たち

こちらはチャウシェスクルーマニア話。

夜更けのエントロピー

個人的事情でグッときた。

ケリー・ダールを探して

本作だけが賞を一個ももらってないのが不思議。

最後のクラス写真

ゾンビねた。力技すぎ。

バンコクに死す

ホラー・エロ短編w